JFMA賞 受賞結果(過去の受賞者)

2024.12.13. JFMA賞事務局

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第19回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞) 受賞結果

 第19 回を迎えた本年は、ファシリティマネジメント(FM)を経営活動という位置づけで、それぞれが高いレベルでの応募が多く、多数の受賞となりました。コロナ禍を経験し、ハイブリッドワークを踏まえながらも、人々が集まる中心的なワークプレイスをいかに構築し運用するか、働き方改革とどう連係させるか、さらにユーザーのWell-being をどう達成するかという経営課題は、どの応募案にも共通して見られる状況でした。
 また、多くの応募案件がDXを含む環境課題や社会的課題を視野に入れた活動に取り組んでいました。
 今後も働き方改革やAI を含むDX、SDGs の目標と関連する社会的課題に取り組む活動は、FM の活動でも外せない視点と考えています。
 日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)は、大企業に限ったものではなく、中小企業、ベンチャー企業、公共FMに携わる地方公共団体など、さまざまなFMの取り組みを表彰してまいります。
 

(敬称略)
表彰 応募タイトル 選考対象
FM実践組織・個人
サービス提供者
優秀FM賞 【最優秀FM賞(鵜澤賞)】
経営の想いを具現化し
進化しつづけるFMの取り組み
富士フイルムビジネスイノベーション(株)
富士フイルムビジネスエキスパート(株)
・(株)アイキューブソリューションズ
・(株)シープランニング
・三井不動産ビルマネジメント(株)
働く場所の自律的な選択を推進する
ワークプレイスの具現化を
コスト効率高く実現
(株)リクルート ・(株)GOOD PLACE
・(有)ジャモアソシエイツ
築50年ビルと挑むオフィス改革
〜培ったFMナレッジの全国展開
損害保険ジャパン(株) ・SOMPOコーポレートサービス(株)
・(株)ワークパス
・パーソルファシリティマネジメント(株)
・(株)イトーキ
“Future of Work”の
実験・実践と進化する運用
ジョーンズ ラング ラサール(株)  
世紀を超えて続く
オフィスのRe-Novation
第一生命保険(株) ・清水建設(株)
・(株)イトーキ
“目的地”となるオフィスを実現する
“アジャイル”FM戦略
森トラスト(株) ・森トラスト・ビルマネジメント(株)
・(株)オカムラ
・SIGNAL Inc.
・(株)建築設備設計研究所
馬場川通り
アーバンデザインプロジェクト
(一社)前橋デザインコミッション  
未来の世代に責任をもつ
循環型FM+PPP
京都府福知山市 ・(株)京都銀行
・京都北都信用金庫
ホテル事業における
SPC実現に向けたFMの活用
(株)金沢彩の庭ホテル  


未来へつなげるFMオフィス推進活動
−清水建設北陸支店新社屋−
清水建設(株) ・金沢工業大学名誉教授 垂水弘夫
・早稲田大学教授 田辺新一
・千葉工業大学教授 望月悦子


AIによる省エネ制御
〜既存建造物の快適性を損なわずCO2削減〜
(株)アドダイス  
ミュージアムタワー京橋
BIM活用型FMプラットフォームの構築
(株)日建設計
(株)永坂産業
(公財)石橋財団
 


公共FMに資する固定資産台帳に基づく
施設資産評価に関する研究(博士論文)
斉藤 孝治
(名古屋大学 大学院環境学研究科 助教)
 
書籍
『現代の建築プロジェクト・マネジメント
 複雑化する課題を読み解く』
(一社)建設プロジェクト運営方式協議会  


福山市本舎施設整備における
FMの取組
広島県福山市 ・(株)NTTファシリティーズ
・(株)フジタ
中小企業経営に役立つFM 倉沢建設(株) ・(株)加藤設計
・(株)堀江建築工学研究所
・(株)イノベックス
坂戸市における
学校施設の長寿命化について
埼玉県坂戸市 ・(株)URリンケージ
・(一財)日本建築センター
FM-Base設立による
施設管理員早期育成への取り組み
NECファシリティーズ(株)  

■優秀ファシリティマネジメント賞 受賞は、9件である。

最優秀ファシリティマネジメント賞 (鵜澤賞): 
  富士フイルムビジネスイノベーション株式会社、富士フイルムビジネスエキスパート株式会社

( 経営の想いを具現化し進化しつづけるFMの取り組み )

01最優秀FM賞鵜澤賞

 本応募は2013年〜2024年までの全国の賃借ビル330件を280件に統合化すると同時に、ワークプレイスの改革を行った約10年間のFM活動についてのもの。全国賃借拠点の配置最適化・賃料適正化を契機として始まったこの活動は、経営陣と毎月進捗状況を共有する経営活動という特徴がある。また、チームABW型導入など、働き方改革と連動した全国展開、従業員のエンゲージメント向上などが課題として加わっている。その成果は、オフィス賃料の約30%削減、拠点数50件の削減となっている。従業員のウェルビーイング、業務効率向上サポートの評価と施策改善も継続的に進められている。とくに、10年以上にわたり、拠点統合化とワークプレイス改革をねばり強く継続し、経営陣に毎月リポーティングを重ねてきた同社のFM活動に敬意を表したい。
 

優秀ファシリティマネジメント賞: 株式会社リクルート
( 働く場所の自律的な選択を推進するワークプレイスの具現化をコスト効率高く実現 )

02優秀FM賞

 同社は過去に優秀FM賞を受賞しているが、前回の1拠点中心の応募から、全国展開へとFM戦略を発展させている。オフィスを「集まる場所」と再定義し、ハイブリッドワーク対応ワークプレイスのソリューションを多様に検討し、食など多面的なサービスにより、効果を生み出している点、PDCAを回して継続的に評価し、エビデンスをもとに計画している点がよい。とくに、ABWで個人収納をゼロとする改革は、大胆で効果が高い。拠点集約により、オフィスコストの大幅な削減、返却する施設での廃棄物削減など、経営課題、社会課題への貢献もある。
 

優秀ファシリティマネジメント賞: 損害保険ジャパン株式会社
( 築50年ビルと挑むオフィス改革〜培ったFMナレッジの全国展開 )

03優秀FM賞

 日本の損害保険大手企業のFM活動の応募である。2018年より築50年の本社オフィスについて検討を開始し、既存フロアでのパイロットオフィス試行、その結果を踏まえて、建替えではなくリニューアルの提案を行うなど、ボトムアップのFMが経営陣から評価された。テレワークを含む本社オフィスのあり方を再定義し、都内の拠点集約化に取り組み、2023年には本社ビルと日本橋ビルの2拠点での新しいワークプレイスが稼働した。人事制度改革と働き方改革を連動させ、拠点集約化により数億円/年の賃借料削減を達成し、ワークプレイス改革の原資としている。また、BIMによる計画のシミュレーションなどDX施策も行っている。さらに、FM推進体制を整備して、2024年からグループCREを統括する部門を発足させ、全国店舗での継続的なFMの進展へとつなげている。とくに、FMの研修を進め、20名の認定ファシリティマネジャーがFM組織で活動するという優れた体制整備がある。
 

優秀ファシリティマネジメント賞: ジョーンズ ラング ラサール株式会社
( “Future of Work”の実験・実践と進化する運用 )

04優秀FM賞

 不動産の仲介、ファシリティの運用、コンサルティングなどを手がけるグローバル企業の日本法人のワークプレイス改革とその運用に関する応募。綿密な調査と丁寧なヒアリンをともなうブリーフィングでプロジェクトの川上部分を整理して、ワークプレイスが計画され、運用されている。ABW採用、ソフト・ハードのウェルネス環境づくり、入居後の運用、PDCAサイクルを回す継続的な評価と改善など、CREとFMのプロフェッショナル企業らしい経営活動である。ショーケースとしての役割も重視されている。入居後の満足度、生産性向上へのオフィスの寄与など、優れた評価が得られているが、さらに継続して、改善を続けている。
 

優秀ファシリティマネジメント賞: 第一生命保険株式会社
( 世紀を超えて続くオフィスのRe-Novation )

05優秀FM賞

 同社は2022年に優秀FM賞を受賞しているが、今回は日比谷DNタワーのリノベーションとワークプレイス改革に関する応募である。隣接していた旧DNタワーの共同持分の資産取得、2分割されていた低層部の一体化、自身で使用していた高層部をテナント貸に変更、自社専用だった社員食堂を入居テナントを含めた交流カフェテリアへの改装など、既存施設の大規模かつ大胆なリノベーションを実施している。入居は2023年8月で、その後は入居テナントを含めた定例検討会によりPDCAを回している。テナント貸しによる収入など経営への貢献、WELLプラチナを認証を取得するなど、ユーザーへの配慮も行き届いている。
 

優秀ファシリティマネジメント賞: 森トラスト株式会社
( “目的地”となるオフィスを実現する“アジャイル”FM戦略 )

06優秀FM賞

 大手不動産企業の本社オフィスと働き方改革に関する応募。2020年から計画し、2023年5月に入居開始。アフターコロナを意識した総合的で多面的なワークプレイスと働き方の改革といえる。5フロア分散から1フロアに統合し、コミュニケーションの改善、部署間の連携強化などを図っている。「人の集まる目的地となる」「変化に対応しやすい可変性」がコンセプト。「トライアルエリア」という入居後の変化に対応可能なスペースがある。基本はABWだが、部署別のBASEと併用している。今後のFM推進体制には少し不安もあるが、ワークプレイスは計画通りにフレキシブルな使い方がされ、活用されている。
 

優秀ファシリティマネジメント賞: 一般社団法人前橋デザインコミッション
( 馬場川通りアーバンデザインプロジェクト )

07優秀FM賞

 群馬県前橋市の中心的な商店街に隣接する馬場川通りの活性化に関する応募。公共空間を対象としているが、民間による整備と民間主体の管理・活用というユニークさがある。都市再生特別措置法に基づき、前橋市・周辺地権者・都市再生推進法人(一般社団法人前橋デザインコミッション=MDC)の3者が締結している。ハード整備は2024年3月に完了した。公園と市道は前橋市が保有するが、清掃や植栽管理、公共空間としての活用は地域住民主導の「馬場川通りを良くする会」が担当して、地域の活動とする新たな手法が創造されている。プロジェクト資金から運営維持の資金が確保され、「良くする会」の活動原資となっている。今後も運営を継続し、魅力あるまちづくりへと発展させることが期待される。
 

優秀ファシリティマネジメント賞: 京都府福知山市
( 未来の世代に責任をもつ循環型FM+PPP )

08優秀FM賞

 京都府福知山市の公共FMに関する応募。同市の 公共施設等総合管理計画の基本方針通りに公共FMに取り組み、量の適正化、維持費用の削減などを実現している。9年間の実績では、施設面積削減のほか、とくに、廃校の民間での活用を多様に実施し、民間貸付の面積は2万2000u、貸付収入は8000万円以上と、人口10万人規模の基礎自治体として、かなりの実績をあげている。また、途中経過を含めて毎年進捗状況を市民に報告し、目標達成へと継続して取り組んでいる点は評価できる。
 

優秀ファシリティマネジメント賞: 株式会社金沢彩の庭ホテル
( ホテル事業におけるSPC実現に向けたFMの活用 )

09優秀FM賞

 ホテル経営事例の応募である。「CS向上、ES向上が連関して企業収益向上を生むサービスプロフィットチェーンの好循環醸成」をめざして、FMの視点を導入した改修を実施し、経営改善を行った。とくに、ES向上がCS向上につながる点に着目し、従業員のバックヤードの拡張・品質向上を図った施設改修は、FMの経営活動として評価したい。心のケア、体の健康、地域とのつながり」を重視し、ブランド向上をめざす経営活動は、地元金沢の独立系ホテル(2社のみ)としてユニークであり、地域振興につながるFMという視点からも応援したい。
 

■特別賞 受賞は、1件である。

特別賞: 清水建設株式会社
( 未来へつなげるFMオフィス推進活動−清水建設北陸支店新社屋− )

10特別賞

 同社の北陸支店の新社屋プロジェクトに関する応募である。築40年の旧社屋建替えに際し、社会的課題を含めた解決策を求めた。運用開始は2021年で、約3年が経過している。多様な働き方とコミュニケーション向上をめざすワンフロアのワークプレイス、ユーザーのウェルビーイングへの配慮、環境配慮型施設の3つを特徴とする。とくに、環境配慮への施策で、ZEBの一環として水素利用システムを建物に実装している。これは、太陽光発電の余剰電力を水電気分解に利用し、生成される水素を貯蔵し、燃料電池に活用するもの。計画、働き方改革などに本社スタッフが関わっており、同社のショーケースとしての投資という面が強いが、名古屋支店の改革につながるなど社内への好影響もある。
 

■技術賞 受賞は、2件である。

技術賞: 株式会社アドダイス
( AIによる省エネ制御〜既存建造物の快適性を損なわずCO2削減〜 )

11技術賞

 空調設備におけるAI制御システムの応募。既存空調制御設備に後付けで装備できること、AI導入時・再学習時でデータサイエンティストのサポートが不要な自律型AIであること、売り切り型でなくサブスク型のクラウドシステムであること、といった特徴がある。導入のプロセスも容易で、既存設備に接続し、設備管理者の日々の設定を自動で画面からAIが学習して行き、その後AIによる自動制御へと移行するので、導入・移行の行動が最小限で済む。納入実績は少ないが、将来性と拡張性の高さがある。本システムは、当面脱カーボンに効果的な分野に注力する戦略で、今後の技術展開もFM分野全般というよりも脱カーボンに効果的な分野での広がりをねらっており、発展・充実が期待される。
 

技術賞: 株式会社日建設計 株式会社永坂産業 公益財団法人石橋財団
( ミュージアムタワー京橋 BIM活用型FMプラットフォームの構築 )

12技術賞

 建築業界では、設計・施工にBIMを活用する事例が主流になりつつあるが、竣工後の運営維持での活用はまだ少数である。本応募は、BIMを活用するFMのプラットフォームとなるシステムを実際の事例に適用しながら、開発・展開を進めたもの。BIMのFMでの活用の本流となるであろうEIRの作成アプローチを実行して川上段階を整備し、かつ当該BIMデータを市販のクラウド型FMプラットフォームへ搭載してFMに活用している。EIRは、納入されるべきBIMデータの詳細度、プロジェクト過程、運用方法、契約上の役割分担等を定めた発注者側の要件で、入札者側に提示される。本応募では、このEIR作成が採用され、その成果であるBIMデータを、クラウド型統合FMプラットフォームに搭載し、広範囲に活用しやすいシステムとしている。対象となったミュージアムタワー京橋は、美術館を併設する複合施設で、FM用BIMデータは国内最大級の12万オブジェクトにのぼる。運用開始は2024年6月だが、BIMデータのFMへの活用の本流となる手法の開発であり、BIMーFMの活用を広げるものと期待される。

■功績賞 受賞は、2件である。

功績賞: 斉藤孝治(名古屋大学 大学院環境学研究科 助教)
( 公共FMに資する固定資産台帳に基づく施設資産評価に関する研究(博士論文) )

13功績賞

 名古屋大学提出の学位論文「公共施設マネジメントに資する固定資産台帳に基づく施設資産評価に関する研究」の応募。調査対象としたのは愛知県下の23自治体の固定資産台帳や公共施設等総合管理計画記載のデータなど。当論文では、23自治体の固定資産台帳データなどを自身でデータベース化し、これをもとに評価・分析を進めている。データ分析では減価償却率(老朽度)と用途別経費の2軸による分析に加えて、他のデータを加味して公共施設に関する課題の抽出を試みている。例えば、2014年の公共施設等総合管理計画作成要請後には、新築・建替から改修中心の傾向に転じたことなどが考察されている。また、公共施設にかける経費は、老朽度に対応するのではなく、別の要素により用途間で不均衡が生じているという分析もある。地方自治体の個々のデータは閲覧・入手が可能だが、他の自治体と比較検討するには、当論文のようにデータベースを構築する必要がある。こうした自治体を横断するデータベースを活用して公共FM戦略策定の資料とすることが有効で、当論文はその初期モデルを提示するものと評価できる。
 

功績賞: 一般社団法人建設プロジェクト運営方式協議会
( 書籍『現代の建築プロジェクト・マネジメント 複雑化する課題を読み解く』 )

14功績賞

 わが国の建設プロジェクトは、多様な問題があり、それらが複雑に絡み合っている。FMを推進する立場でいえば、発注者側であるFM担当者の入念な要件整理(ブリーフィング)と建設プロセスを適切に選択・支援する外部コンサルタントとの協業により、実現したいものを明確化し、実現プロセスを適切にマネジメントすることが重要である。本応募は、現代の建設プロジェクトにおける諸問題を、多様な参加プレイヤーへのヒアリングなどを通じて解明しようと努めているもの。発注者側の課題解明だけでなく、多様で複雑な問題について課題を明確化している。現状の諸問題を多様なプレイヤーの多面的な視点から考察するうえでは、大いに参考となる。
 

■奨励賞 受賞は、4件である。

奨励賞: 広島県福山市
( 福山市本舎施設整備におけるFMの取組 )

15奨励賞

 同市の市役所本庁舎の改修プロジェクトの応募。2020年の検討開始から工事完了の2023年、さらにその後の運用まで、DBO方式を採用したことで、設計・施工・運営維持までをスムーズにつなげている。築後30年以上を経過した同本庁舎は、近年大規模化する水害が避けられない立地にある。本応募では、老朽化した設備の更新とともに入念なBCP対策、ワークプレイスを含めた運用の改革などが実施されている。その効果として、温室効果ガス40%削減、光熱費は半減、オフィス環境の改善、市民の利便性向上などが達成されている。行政経営の中核施設の継続使用による大幅な改善は、「賢く使う」時代にあって評価されるべきと思う。ただ、新築した防災棟の無機質なファサードは、「市の顔」のデザインとしては残念な印象がある。
 

奨励賞: 倉沢建設株式会社
( 中小企業経営に役立つFM )

16奨励賞

 「建築のかかりつけ医として、企業の施設マネジメントを支援する」を掲げる埼玉県川越市の従業員9人の建設企業自身のFMに関する応募。経営者のFMに対する高い認識と情熱は十分感じられるが、現在は、CLT+鉄骨造2階建、ZEBの本社ビル建設、良質のワークプレイスで社員のワークライフと生産性向上を図る活動がスタートしたところである。小企業のFM活動を評価するのはむずかしい面もあるが、経営者がFMを理解し、自ら認定ファシリティマネジャー資格を取り、企業の発展に活用しようという意気込みは評価したい。
 

奨励賞: 埼玉県坂戸市
( 坂戸市における学校施設の長寿命化について )

17奨励賞

 埼玉県坂戸市の学校施設のFMに関する応募。全公共施設面積の約半分を占める学校施設の長寿命化は、重要なFMの課題であり、本応募では耐用年数評価など劣化診断での適切な評価をもとに計画されている点が評価できる。ただし、長寿命化計画が策定されたばかりで保全予算を確保し、実行するのはこれからである。実績の積み上げを期待する。
 
 
 

奨励賞: NECファシリティーズ株式会社
( FM-Base設立による施設管理員早期育成への取り組み )

18奨励賞

 本応募は、工場のユーティリティ設備の日常管理などが習得できるシミュレーション施設を構築し、それを活用して研修の効率化、期間短縮を図るという技術に関するもの。同社は、全国で工場施設(とくに半導体関連生産施設)のユーティリティ設備(工場全体の受変電設備、給排水設備など、生産ラインが共用して使う設備)の運用管理を数多く行っており、現場でのOJTには限界があることを認識して、シミュレーション施設で集中的に研修を積むことで、養成期間を半減(12年→6年)させようというねらいがある。高度な熟練を必要とする工場ユーティリティ設備に特化した例としてユニークである。

2024年12月13日 審査委員会 委員長 北川 正恭

 

(参 考)

1.日本ファシリティマネジメント大賞の概要

JFMA賞

1)目 的:
FMに関する優れた業績等を表彰することにより、日本国内におけるFMの普及・発展に資することを目的とする。

2)表彰の種類:
(1)優秀ファシリティマネジメント賞
(FMの手法を取入れ、優れた成果を上げている活動)
このうち特に優れた活動を「最優秀ファシリティマネジメント賞(鵜澤賞)」とする
該当なしの場合もある【公募】
(2)技術賞(FMに関する、新しい手法・技術の取組み)【公募】
(3)功績賞(FMに関する優れた論文、出版、その他の活動)【公募】

※以上の応募の中から、特別賞、奨励賞の表彰を行う場合があります
(4)特別賞
(FMに関する優れた成果をあげ、特別に表彰すべきと認められる活動等)
(5)奨励賞
(優秀ファシリティマネジメント賞、技術賞または功績賞に準じ、今後の発展が期待される活動等)

3)エントリー期間 : 2024年7月1日〜7月31日
4)応 募 期 間 :   2024年7月1日〜8月31日

5)審査委員会委員(委員以下五十音順、敬称略):

委 員 長 北川 正恭 (早稲田大学 名誉教授)
副委員長 深尾 精一 (首都大学東京 名誉教授)
  安達 功 (株式会社日経BP 総合研究所 フェロー)
  伊藤 裕美 (経済産業省 製造産業局 生活製品課 企画官)
  猪股 篤雄 (神奈川県 政策推進担当 非常勤顧問)
  佐藤 由美 (国土交通省大臣官房 官庁営繕部長)
  タライエ ファラ (NewNormDesign Founder/Designer Sustainability consultant)
  仲 隆介 (Naka Lab.代表・京都工芸繊維大学 名誉教授)
  長澤 泰 (東京大学・工学院大学 名誉教授/
  一般財団法人ハピネスライフ財団 理事長)
  村田 博文 (株式会社財界研究所 代表取締役/総合ビジネス誌「財界」主幹)
  成田 一郎 (公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会 専務理事)
尚、審査委員会の下にFMの実践者から構成された専門委員会を置き、審査委員会の補佐を行う。

2.応募状況と選考経緯
1)応募状況: 優秀ファシリティマネジメント賞19件、技術賞4件、功績賞2件  計25件

2)選考経緯:
 各専門委員が応募書類を精査し、各応募案件にコメントと評点をつけ、専門委員会で議論修正した「専門委員会検討資料」と「応募書類」により審査委員会で討議し、優秀ファシリティマネジメント賞については15件、技術賞については3件、功績賞については2件を現地審査・オンライン審査・ヒアリング審査対象に選定しました。また特別賞、奨励賞は応募案件の中から選定することを決定しました。
 現地審査・オンライン審査・ヒアリング審査の結果を踏まえ、専門委員会で推薦対象案を作成、審査委員会にて報告を行いました。審査委員会では、各委員から活発な意見が飛び交い、最終的には全委員一致で各賞候補を決定しました。その後その結果をJFMA 米倉会長に報告、了承を得て授賞案件を最終決定しました。
 優秀ファシリティマネジメント賞応募19件のうち9件が優秀ファシリティマネジメント賞授賞、その中の「富士フイルムビジネスイノベーション株式会社・富士フイルムビジネスエキスパート株式会社」は最優秀ファシリティマネジメント賞(鵜澤賞) に選ばれました。また1件は特別賞、3件は奨励賞授賞となりました。
 技術賞応募4件のうち2件が技術賞、1件が奨励賞授賞となりました。
 功績賞応募2件が功績賞授賞となりました。
 
 2024年12月13日、JFMA会議室において入賞者発表会を開催。


米倉会長 挨拶

北川委員長 結果発表
報道発表の様子 (2024年12月13日(水)13:30〜 JFMAにて実施) 
 

3.授賞式
【 第19回JFMA賞 授賞式】
 日 時:2025年2月25日(火) 13:00〜15:00
 会 場:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター
【 受賞祝賀会/ネットワーキングパーティ 】
 第19回日本ファシリティマネジメント大会 【会場開催】イベント
 日 時:2025年2月25日(火) 15:30〜17:15/17:30〜19:15
 会 場:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター

4.事例発表
第19回日本ファシリティマネジメント大会(ファシリティマネジメント フォーラム2025)【Web開催】
【 JFMA賞受賞者による事例発表( オンデマンド配信 )】
 オンデマンド配信期間:2025年2月1日(土)10:00 〜 2月28日(金)13:00 
 

 

過去のJFMA賞受賞発表ページ

 

第18回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第17回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第16回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第15回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第14回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第13回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第12回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第11回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第10回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第 9回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第 8回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第 7回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第 6回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第 5回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第 4回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第 3回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第 2回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
第 1回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)

 

お問い合せ

JFMA賞に関するお問い合わせは、下記までお願いします。

JFMA賞 事務局 公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)
   担 当  白 須
 〒103-0007東京都中央区日本橋浜町2−13−6 浜町ビル6F
 TEL:03−6912−1177 FAX:03−6912−1178
 E-mail: award@jfma.or.jp
 JFMA事務局受付時間: 月〜金 9:30〜17:00(土日祝休み)