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■優秀ファシリティマネジメント賞 受賞は、3件である。
優秀ファシリティマネジメント賞: 西日本電信電話 株式会社
( NTT西日本のFM戦略 〜新本社PJを通じた新たな挑戦〜 )
同社は、2008年と2014年、過去2回の応募・受賞がある。今回は、2022年1月移転の新本社ビルのプロジェクトを通じた新たなFM戦略の内容と実践に関する応募である。具体的には@本社機能の拠点集約化、A旧本社ビル跡地の活用による市街地環境の再整備と大阪城周辺エリア発展への貢献、B新本社エリアに共創施設(QUINTBRIDGE)を併設し、ビジネスの創出・開発・社会実装までが可能なエコシステムを形成、Cコロナ禍後を見据えたニューノーマルなワークプレイス構築と働き方改革、社員のWell-being向上、DオフィスFM推進チーム組成によるFM継続とSDGsへの貢献、を掲げている。FMに関しては、@の本社拠点集約化とCの働き方改革と連動した新しいセンターオフィスのワークプレイス改革、Bの新ビジネス創造の拠点構築と運営が中心である。拠点集約により2.6億円/年のキャッシュアウト削減などファシリティコストの削減を実現している。働き方改革との連動では、チェンジマネジメント実践、FMセンター設置、定量的な評価など総合的な施策を進めている。共創施設は他のイノベーションセンター施設と比べて、現時点で高く活用され、継続性も感じられた。同社の新ビジネス創成への強い意欲に裏付けされている。一方、本社のワークプレイスは働き方改革の途上にあり、働く場としての活用については課題が残されているが、総じて包括的な経営改革と連動して、本社オフィスの再配置、働き方改革と連動する新たなワークプレイス供給と運営など、総合的なFMの経営活動としての実践であると評価できる。
優秀ファシリティマネジメント賞: 日建設計コンストラクション・マネジメント 株式会社
( O3(大阪おせっかいオフィス)いきたくなるオフィス )
CM(コンストラクション・マネジメント)業務を中心としたマネジメントとコンサルティング企業の自社オフィスの改革に関する応募である。社内・社外に向けた実験的なパイロットプロジェクトと位置づけられている。@企業の働き方戦略をまず定める、Aワークプレイスはオフィスではなくエコシステムとなり、選択的に働く体験をする、B専任のコミュニティマネジャーの配置、Cワーカーのライフを徹底してサポートするパーソナルコンシュルジュサービスの導入など、多面的で総合的な検討と実行がされている。単なるオフィスの改革ではなく、社会や地域経済まで視野に入れ、築60年のビルでのリニューアルを選択するなど、経営課題についても包括的に検討されている。また、FM推進体制についても、プロジェクトチームがFM推進チームをサポートする体制とし、運営維持段階でも目標設定とKPI、評価方法を用意してPDCAサイクルを回す仕組みを構築している。稼働は2023年5月で、プロジェクトの評価と運用実績評価により、改革・発展を継続することが、今後の課題である。また、この大阪での改革をテコとして、東京と名古屋の拠点と働き方の改革・発展にも期待したい。
優秀ファシリティマネジメント賞: 東京都墨田区
( 墨田区におけるファシリティマネジメントの取組み )
東京都墨田区の公共FM活動の応募である。同区のFMへの取り組みは、2006年に始まり、施設データベース整備と保全システムの導入を行った。そして、2013年度〜2015年度では公共施設白書を策定し、公共施設等総合管理計画策定(2015年)へと発展させている。さらに2016年度〜2020年度では、個別計画へと進めて第2次公共施設マネジメント実行計画を策定した。2021年度では第3次公共施設マネジメント実行計画を策定するとともに、2023年には営繕部門と統合してファシリティマネジメント担当部を創設し、体制の整備も行っている。建物の保全については、施設データベース、長期修繕計画をもとに計画的保全へと発展させ、与条件整理、設計、修繕工事へとサイクルを回す体制が整備された。また、公共施設等総合管理計画に基づき施設面積の15%削減の方針に沿って、現状では5.3万uの削減を達成している。さらに、旧中小企業センターの大規模改修による千葉大学墨田サテライトキャンパス誘致や旧すみだ健康ハウスの刷新、施設複合化による保健施設の新築など、多様なFMの施策が実行されている。歴史的には向島と本所の2エリアに分かれていた故の公共施設の重複や、敷地・建物規模が小型という地域特性の克服、残存不具合を含めた計画的修繕の企画など、今後の課題も残されているが、17年間にわたり公共FMを段階的に進めてきた担当者の地道な活動は評価に値する。引き続き、公共施設の再配置など、総合的なFM戦略の策定と実行により、さらなる発展を期待したい。
■功績賞 受賞は、1件である。
功績賞: 東海林 伸篤(世田谷区 環境政策部)
( 官民連携による公共空間の整備・運営のマネジメントに関する研究(博士論文) )
宮城大学大学院で取得した博士論文に関する応募である。本応募については官民連携、公共空間、公共性、プログラムマネジメント、プロジェクトマネジメントといった公共FMの分野でもなじみの深い内容である。また本研究で中心的に活用されている事例が、紫波町オガールプロジェクト(2016年最優秀FM賞受賞)であることで、テーマ、内容ともにFM分野に近いという特徴がある。FM分野での貢献性については、第7章地域活性化に資する公共空間の公共性、第8章地域活性化に資する官民連携事業のマネジメント手法を踏まえて第9章で展開されている「公共空間整備・運営マネジメントの5つの要点と10の視点」が、今後持続可能な官民連携事業を創出するうえで、そのプロセスを検討するヒントになる。とくに、5つの要点で示された@ビジョンの設定と共有、A体制の構築、B価値創出に向けたプロセスの重視、C適切な人選と情報共有のマネジメント、Dパブリックマインドの醸成は、公共FMのプロジェクトにおいても検討するうえで、有用と思われ、功績賞に値する。
■奨励賞 受賞は、2件である。
奨励賞: 株式会社 近藤商会
( 「Kond Style」を実践し発信する、FMへの取組み )
事務用品・事務機器を販売する地域密着型企業のFM活動の応募である。同社は1947年に設立され、函館本店、室蘭、苫小牧と3箇所の拠点をもつ。現在の営業は、@アスクル事業ADX事業B内装デザイン事業を中心にした新しい働き方を提案・支援する企業である。同社自身のFMについては、ワークプレイスは、2008年より継続してリノベーションに取り組んでおり、顧客参加型のセミナールーム、ABWによる各セッティングが用意されている。また、健康経営に取り組み、「健康経営優良法人ブライト500」の認定を受けている。認定ファシリティマネジャーも3名いるが、FM体制とPDCAを回す目標管理、数値による評価など、FMを活用した経営活動には至っていない。自社オフィスをショールームとして有効活用していること、DX化の推進は評価できる面だが、FM的な目標管理を望みたい。アスクル事業への転換の結果、不要となった家具など流通在庫の自社倉庫スペースを活用しようという試みであることは理解できるが、不活用の床も残されている。総じて、60名ほどの中小規模企業のFMへの努力を評価するが、ワークプレイスの改良中心で、目標管理など適切な経営活動の推進を期待したい。
奨励賞: 鈴梅産業株式会社・株式会社ビルmo
( 築66年のビルで実現するサスティナブルなFMへの挑戦 )
築66年のテナントビルのリノベーションと運営維持に関する応募である。ビルオーナーの鈴梅産業とアドバイザー的なビルmo社との共同応募になっている。リノベーション工事ではビルmo社がCMを担当したが、工事後に1テナントとして入居し、同社が2022年LEED O+MとWELL Health Safety Ratingの申請主体となっている。プロパティマネジメントの実務とリーシング(実務は東京R不動産)は、オープン・エー社が行っている。応募両社の協力関係は複雑だが、長期的なコミットメントの契約体制はない。リノベーション後ではテナント入居が100%と経営に貢献している。オーナー側の意向は、リノベーションは今後の建替えも視野にした限定的なもので、今後の市場変化を見越した「つなぎ的な」性格である。「築66年建物のグリーンビルディング化」は、認証審査をクリアできるように絞り込まれた改修投資により、認証取得できている。しかし、改善すべき不具合箇所も残されている。FMの推進体制は未整備で、FMの目標管理は今後の課題として残っている。施設ハードと保全業務は高いレベルとはいえないが、テナント同志のコミュニティづくりに対するビルmo社とオーナーの取組みというソフト面は評価でき、この建物の価値向上に貢献している。今後の推移を見守りたい。
(参 考)
1.日本ファシリティマネジメント大賞の概要
1)目 的:
FMに関する優れた業績等を表彰することにより、日本国内におけるFMの普及・発展に資することを目的とする。
2)表彰の種類:
(1)優秀ファシリティマネジメント賞
(FMの手法を取入れ優れた成果を上げている活動)
このうち特に優れた活動を「最優秀ファシリティマネジメント賞(鵜澤賞)」とする/該当なしの場合もある【公募】
(2)技術賞
(FMに関する、新しい手法・技術の取組み)【公募】
(3)功績賞
(FMに関する優れた論文、出版、その他の活動)【公募】
※以上の応募の中から、特別賞、奨励賞の表彰を行う場合があります
(4)特別賞
(FMに関する優れた成果をあげ、特別に表彰すべきと認められる活動等)
(5)奨励賞
(優秀ファシリティマネジメント賞、技術賞または功績賞に準じ、今後の発展が期待される活動等)
3)エントリー期間 : 2023年7月1日〜7月31日
4)応 募 期 間 : 2023年7月1日〜8月31日
5)審査委員会委員(委員以下五十音順、敬称略):
委 員 長 | 北川 正恭 | (早稲田大学 名誉教授) |
副委員長 | 深尾 精一 | (首都大学東京 名誉教授) |
秋月 聡二郎 | (国土交通省大臣官房 官庁営繕部長) | |
安達 功 | (株式会社日経BP 総合研究所 フェロー) | |
鎌田 元康 | (東京大学 名誉教授) | |
塚本 裕之 | (経済産業省 製造産業局 生活製品課 企画官) | |
仲 隆介 | (Naka Lab.代表・京都工芸繊維大学 名誉教授) | |
長澤 泰 | (東京大学・工学院大学 名誉教授/
一般財団法人ハピネスライフ財団 理事長) |
|
村田 博文 | (株式会社財界研究所 代表取締役/総合ビジネス誌「財界」主幹) | |
成田 一郎 | (公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会 専務理事) | |
尚、審査委員会の下にFMの実践者から構成された専門委員会を置き、審査委員会の補佐を行う。 |
2.応募状況と選考経緯
1)応募状況:
優秀ファシリティマネジメント賞9件、技術賞2件、功績賞1件 計12件
2)選考経緯:
各専門委員が応募書類を精査し、各応募案件にコメントと評点をつけ、専門委員会で議論修正した「専門委員会検討資料」と「応募書類」により審査委員会で討議し、優秀ファシリティマネジメント賞については5件、技術賞については1件、功績賞については1件を現地審査・ヒアリング審査対象に選定しました。また特別賞、奨励賞は応募案件の中から選定することを決定しました。
現地審査・ヒアリング審査の結果を踏まえ、専門委員会で推薦対象案を作成、審査委員会にて報告を行いました。審査委員会では、各委員から活発な意見が飛び交い、最終的には全委員一致で各賞候補を決定しました。その後その結果をJFMA 米倉会長に報告、了承を得て受賞案件を最終決定しました。
優秀ファシリティマネジメント賞応募9件のうち3件が優秀ファシリティマネジメント賞受賞、2件は奨励賞受賞となりました。
功績賞応募1件が功績賞受賞となりました。
2023年12月13日、JFMA会議室において入賞者発表会を開催。
米倉会長 挨拶 |
北川委員長 結果発表 |
報道発表の様子 (2023年12月13日(水)13:30〜 JFMAにて実施) |
3.授賞式
【 第18回JFMA賞 授賞式】
日 時:2024年2月21日(水) 13:00〜15:00
会 場:京王プラザホテル
【 受賞祝賀会/ネットワーキングパーティ 】
第18回日本ファシリティマネジメント大会 【会場開催】イベント
日 時:2024年2月21日(水) 15:30〜17:00/17:30〜19:30
会 場:京王プラザホテル
4.事例発表
第18回日本ファシリティマネジメント大会(ファシリティマネジメント フォーラム2023)【Web開催】
【 JFMA賞受賞者による受賞講演( オンデマンド配信 )】
オンデマンド配信期間:2024年2月22日(木)10:00 〜 3月18日(月)13:00
・第17回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第16回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第15回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第14回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第13回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第12回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第11回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第10回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第 9回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第 8回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第 7回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第 6回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第 5回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第 4回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第 3回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第 2回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
・第 1回日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)
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JFMA賞 事務局 公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)
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