BIMとの連携によるFMの高度化とビジネスモデルの創出 |
部会長:猪里 孝司 大成建設株式会社 設計本部 設計企画部長 認定ファシリティマネジャー 一級建築士 |
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BIM、FM、CAFM、ICT、ライフサイクル、デジタル情報 |
サマリー | BIM(Building Information Modeling)は建築のライフサイクルにわたって建物情報を活用する手法である。さまざまな職能をもった関係者間の情報共有・情報統合の基盤であり、政府が提唱している「Society5.0」の一端を担うものといえる。設計や施工期間中に蓄積された情報を、運用段階で活用することによりLCC低減や利用者へのサービス向上が期待できるだけでなく、脱炭素化にも貢献できる。
当研究部会は、このようなBIMの特性を活かし、日本型BIM・FM連携によるFMの高度化とビジネスモデルの創出を目指して活動している。 |
活動内容 | 月に一度、部会(オンラインと対面を併用)を開催しFMでのBIM活用、FMとBIMとの連携、FMにおけるデジタル情報の活用について、自社および国内外の事例発表、効果や課題について議論し、情報共有するとともにその成果の公表について検討している。
※定例会開催日程(原則) 最終木曜日16:30〜18:00、月1回 |
成 果 | 「ファシリティマネジャーのためのBIM活用ガイドブック」(2015年4月)
「ファシリティマネジメントのためのBIMガイドライン」(2019年8月) 「ファシリティマネジメントのためのBIM活用事例集」(2022年7月) ※研究成果の詳細を閲覧することが可能です: 「研究成果 他」の項目へ |
メンバー | 部会長:猪里 孝司(大成建設)
副部会長:友景 寿志(大成建設) 部会員:赤尾関 剛志・小田 博志(フジタ) 阿久津 太一・喜多 輝香(山下PMC) 安蘓 秀徳・古橋 秀夫(東京美装興業) 足達 嘉信(鹿島建設) 飯島 勇・林 俊英(福井コンピュータアーキテクト) 石川 大樹・岩元 丈仁・遠藤 隆一 ・佐藤 光・高森 和志・浜辺 亮太・宮腰 崇弘(NTTデータ) 石坂 貴勲・松永 文彦(アイスクウェアド) 石曽根 栄之・柴田 英昭(FMシステム) 井上 雅子(セコム) 大川 英二・奥村 潤・土田 真一郎・東川 久孝(日本郵政) 大西 康伸(熊本大学) 緒方 健人(日積サーベイ) 鎌田 佳子(ザイマックス不動産総合研究所) 木村 謙(エーアンドエー) 黒澤 一成・下川 弘・高野 剛(安藤・間) 佐藤 浩・平林 裕治(清水建設) 鹿野 護・最上 佳彦(竹中工務店) 繁戸 和幸(安井建築設計事務所) 志手 一哉(芝浦工業大学) 澁谷 宏樹(パシフィックコンサルタンツ) 下田中 龍宏(日比谷総合設備) 白川 愛幸(日本空調サービス) 杉山 真一(プロパティデータバンク) 諏訪部 泰徳(戸田建設) 袖野 崇(マルホ) 立石 賢太(ダイダン) 田邉 邦夫(東急コミュニティー) 辻村 啓一(構造計画研究所) 露木 博視(オフィス露木) 寺嶋 実(日建設計コンストラクション・マネジメント) 堂本 勇人(熊谷組) 中尾 光延(ビケンテクノ) 西本 良一(大和ハウス工業) 似内 志朗(ファシリティデザインラボ) 野口 順二(日本メックス) 林 晃士(グローバルBIM) 原 悠子(個人) 旭山 陽子(明豊ファシリティワークス) 堀 雅木(第一生命保険) 溝上 裕二(ジョーンズラングラサール) 光田 祐介(日建設計) 焼山 誠(大林組) アドバイザー:飯田 千恵(大塚商会) 事務局:鈴木 克己・山田 勝彦(JFMA) |
・「FMのためのEIR※テンプレート集」の制作
・FMで利用するためのBIM標準データの規格検討
・BIMとFMの連携によるBIM及びFM双方の高度化
2019年6月に国土交通省が立ち上げた「建築BIM推進会議」では建物完成後の運用段階でのBIM活用が焦点のひとつとなっている。JFMA代表として、引き続き本会議および関連する会議体に参加し、FMでBIMが活用できる環境づくりの実現に向けて意見する。また、BIMに関連する学会や団体と連携し、FMが必要とするBIMについて積極的に情報発信する。
・「建築BIM推進会議」とその下部の部会である「建築BIM環境整備部会」および作業WG
「BIMを活用した積算・コストマネジメントの環境整備協議会」への参加
・FMで利用するためのBIMデータ標準化の検討
・「FMのためのEIR※のテンプレート集」の制作
※EIR:発注者情報要件のことで、BIMデータの詳細度、プロジェクト過程、運用方法、契約上の役割分担等を定めた要件書
・「FMのためのBIM実行計画のテンプレート集」の企画
・FMで利用するためのBIM標準データの規格検討
・BIMとFMの連携によるBIM及びFM双方の高度化
研究部会を月1回開催しデジタル情報活用事例について情報共有し、FMでBIMが活用されない理由、ファシリティマネジャーの役割と建築生産プロセス等について議論した。
今後の活動について議論する中で、BIM実行計画のテンプレート集より先に、EIR(Employer Information Requirements:発注者情報要件)についてのガイドが必要であるとの結論にいたり「ファシリティマネジメントのためのEIRテンプレート集」の企画を進めている。
国土交通省の「建築BIM推進会議」およびその下部の部会である「建築BIM環境整備部会」に参加し、JFMAでの活動を報告した。また作業WGや「BIMを活用した積算・コストマネジメントの環境整備協議会」に参加した。それらの会議での議論や報告を研究部会内で共有した。