キャンパスFM研究部会 (SCM06)  【施設事例研究】
	
		
		| 少子化、DX、GX時代のキャンパスFM | 
		  
		 部会長:興津 利継
		 株式会社FOR 認定ファシリティマネジャー
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		●keywords●
		 学校法人会計基準 / 積立率 / ウィズコロナ / 遠隔授業 / 大学設置基準改正 / DX / GX / 省エネ / ZEB / 少子化 / 大学定員余剰 / FMハニカム   | 
		
	
	
		
		| サマリー | 
		2022 年から2024 年の3 年間に、デジタル技術も活用して学修者本位の学びを実現することを柱とする大学設置基準の改正、二酸化炭素排出量半減の目標化、18 歳人口減少により大学定員が2 割余剰する予測など、キャンパスFM に大きな影響を与える3つの要因が発生している。それに加えて、全私立大学でみると、全施設を更新・維持できる積立額を保持できていないことも判明しており、これを加えた4要因が今後のキャンパスFM を方向づけることを示した。 | 
		
		
		| 活動内容 | 
		2022 年は、コロナ禍で採用が進んだ遠隔授業、大学設置基準改正の内容を調査し、学びの場づくりへの影響を検討した。2023 年はZEB の概要と視察施設での採用技術の整理、大学定員余剰の2040 年推計を掘り下げた。2024 年は4要因を概括してダウンサイジングとZEB 化の推進を訴えるとともに、FM 三階層をハニカム形状に分解し十余年の活動領域の整理も行った。結果、スペースやファシリティコストなどの管理系指標の検討が疎かになっていたことが再認識できた。
		 ※定例会開催日程(原則) 第2または第3火曜日17:30〜19:00、年11回 | 
		
		
		| 成 果 | 
		秋の18講座での発表(毎年)
		 ファシリティマネジメントフォーラムでの発表(毎年)
		 部会内での基礎講座(2023年4回、2024 年4回)
		 先進キャンパス施設の視察(3カ年合計7キャンパス)
		 ※研究成果の詳細を閲覧することが可能です: 「研究成果 他」の項目へ  
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		| メンバー | 
		部会長:興津 利継(FOR)
		 副部会長:大谷 英継(文京学院)
		 部会員:池田 磨佐人(個人) 和泉 隆(帝京大学) 
		     上村 浩之(日本アイ・エス・ケイ) 扇谷 圭一(文部科学省) 
		     大野 和夫(個人) 岡本 仁志(個人) 
		     加治屋 正史・平嶋 はるか(竹中工務店) 小永井 耕一(東京都環境公社) 
		     近藤 眞道(大成建設) 佐藤 賢治(中京大学) 
		     竹本 峰己(インデックスファシリティーズ) 藤村 達雄(東京音楽大学) 
		 アドバイザー:恒川 和久(名古屋大学)
		 事務局:小泉 誠(JFMA)
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				2025年度のテーマと活動内容 【活動計画】
				メインテーマ
				大学経営にキャンパスFMがより深く貢献できるように、多様な部会員構成を活かして幅広い見地から調査研究を行う。基本として、社会や法令の変化がもたらす影響の検討や先進事例・技術の収集と共に、実施・改善のための基礎情報・手順・手法・ノウハウの収集・充実、学内連携を高める情宣活動や実施事例の共有を方策に置き、各部員の視点・価値観を活かして研究内容を高めていく。
				
				活動計画
				
					- 社会変化や新規法令類がもたらす影響の調査・検討を進める
					
 ・大学進学者数減少を視座に入れた大学運営変化の情報収集
					
 ・大学設置基準改正への対応、特例制度活用動向の情報収集
					
 ・法令類追加変更のキャンパスファシリティへの影響の推察・検討
					 
					- キャンパスFMに関連する先進事例の視察、技術情報の収集を図る
					
 ・SDGs、カーボンニュートラル対応事例
					
 ・学修者本位の学びの場の改善事例
					
 ・施設再編(都心回帰・進出、キャンパス内再構築)事例
					 
					- 実施・改善のための基礎情報、手順、手法等の収集・充実を図る
					
 ・部会活動を通じた基礎情報、手順、手法等の収集・充実
					
 ・部会内での講座分担を通じた自己研鑽、情報共有、教職員への紹介
					 
					- 学内でのFM連携を促進するための情宣活動、ノウハウ共有を図る
					
 ・教職員の自分事としてキャンパスFMを浸透する活動の推進
					
 ・学内各部門を巻き込んだ連携活動の事例収集と共有
					
  
				
				2024年度のテーマと活動内容 【活動実績】
			
			
				活動報告
				
					- 社会変化や新規法令類がもたらす影響の調査・検討
					
・大学進学者数減少やデジタル化社会への変化を視座に入れ、設置基準改正を活用して大学運営を変革している事例を都度収集している。
					
ただし、施設構成を変化させた事例は未だ出てきていない。
					 
					- キャンパスFMに関連する先進事例の視察、技術情報の収集
					
・東京都市大学世田谷キャンパス、麗澤大学校舎さつきを視察した。
					
学修本位の場づくり、ZEB化推進ともに先進的に取り組まれていた。
					
・東京都市大学の事例は、等々力に存在した系列短期大学を発祥とする2学部を世田谷キャンパスに移転した再構築であり、敷地拡充と建替ステップの情報も入手できた。
					 
					- キャンパスFMに関連するノウハウの研鑽・共有・紹介
					
・秋の18講座では「キャンパス計画と地域の創造的再生」の題名で千葉大名誉教授の上野武先生にご講演を頂いた。無料視聴できる大学生には関東学院大李先生のご尽力で40名超の参加を頂けた。
					
・本年度も部会内での基礎講座を4回実施した。
					
講座の担当を通じて自己研鑽や情報の共有を促進すると共に、参加頂いた大学職員には「自分事としてキャンパスFM」を学んで頂けた。
					
 [第1回]戦略的施設マネジメントの先進事例
					
 [第2回]キャンパス整備計画等の実際(立教女学院の事例)
					
 [第3回]学校法人会計:基本金と減価償却の仕組み
					
 [第4回]殆どの大学職員がFMに関わっていることを知るための講座
					
尚、第1回目は文部科学省文教施設企画・防災部の方に講師をお願いし、好評であった。
					
・FMフォーラムの発表ではキャンパスFMに大きな影響を与える4要因 (施設更新余力不足、設置基準緩和、進学者数減少、CO2削減)を示し、方策の方向性としてスリム化しながらのZEB化促進を示した。
					
また、部会活動を振り返るためにFMハニカム(FM三階層の中間層を内部利用、事例・構築プロセスと管理指標の2x2で分割したもの)を用いてプロットし、スペースや環境などの管理情報や、オペレーション、施設コスト関連の情報など、場や建物造りの基となる管理情報の収集が手薄であったことを示した。その後、部会での議論で「大学の内情に関わる情報で外部に出しにくいものが多数ある」ことが分かったため、今後は公表事例を中心に情報の収集整理を進めることとしたい。
					
  
				
				研究成果 他
				ファシリティマネジメントフォーラム ※ JJ:JFMA機関誌「JFMA JOURNAL」掲載
					
				FM初心者向け秋の18講座・FM秋の夜学校(調査研究部会公開セミナー)
					
				書籍・報告書 他