こころとからだのウェルビーイング研究部会 (SCM20)  【マネジメント研究】

統合的アプローチによるウェルビーイング向上
―非財務情報開示時代のFM戦略―
部会長
部会長:野間 操
株式会社清和ビジネス
働き方デザイン本部
デジタル・イノベーション・
コンサルティンググループ長
認定ファシリティマネジャー
●keywords●
ウェルビーイング / 企業価値向上 / 非財務情報開示 / 人的資本経営 / 組織のウェルビーイング / 個人のウェルビーイング / ワークエンゲージメント / ESG / SDGs
 
サマリー ウェルビーイングを通じた企業価値向上の研究の途中経過を報告する。ウェルビーイングへの投資は、生産性向上と人材確保をもたらす戦略的取り組みである。ウェルビーイングを個人と組織の両面から捉え、「基盤構築」「価値向上」「革新創出」の段階的アプローチを提案する。ファシリティマネジメントが従業員の健康や働きがいに果たす役割と、非財務情報開示時代における企業価値向上への貢献について論じ、今後、評価の指標と手法の開発に向けて論を進める。
活動内容 人的資本経営の視点から、FM 施策と事業成果の関連を説明できる枠組みの構築を目指している。その目標は、客観データに基づく施策評価、ウェルビーイング変化の測定・把握と定性評価との関係性の明確化である。具体的には、FM 施策の立案、快適な環境整備、共創スペースの設置、行動変容を促進するための仕掛け作り、そして既存の知見を活用したファシリティマネジメント実践方法の体系化について議論を行っている。さらに、企業見学や他の研究部会との連携などを通じて、活動の場を広げている。
※定例会開催日程(原則) 第1水曜日18:00〜20:00、月1回
成 果 企業が取り組むウェルビーイングを個人から組織へと拡張し、それに伴う研究テーマの整理を行った。施策(投資)評価の指標としては、アブセンティズムとプレゼンティズムの解消、エンゲージメントの向上、アクティビティの変容などを挙げている。そして、ステークホルダーが事業成果の最大化と、FM 施策の関係を理解し実践するための枠組みを構築した。
※研究成果の詳細を閲覧することが可能です: 「研究成果 他」の項目へ
メンバー 部会長:野間 操(清和ビジネス)
部会員:石崎 真弓(ザイマックス総研) 石本 研(ユニティ) 
    遠藤 淳子(大成建設) 梶野 晴香・山下 勝・西本 匠(朝日ビルディング)
    吉P 茂(FRS/フォーバル・リアルストレート) 齋藤 敦子(コクヨ) 
    渋谷 高陽(サンケイビル) 菅野 文恵(ゼロイン) 高橋 靖(東海美装興業) 
    原 良(TATAMI) 徳間 瑠以(オービック) 
    渡辺 亮(ユニバーサル園芸社)
事務局:佐々木 信(JFMA)

2025年度のテーマと活動内容 【活動計画】

メインテーマ

  1. メンバー以外も活用できるマネジメントモデルの開発
    「ウェルビーイングに関連するライフイベントとファシリティとの関連性に関する調査」の結果から導出した施策とその検討プロセスなどのモデルの公表や、業務に役立つツールの開発。
  2. 対象と目標
    ”こころとからだ”を、それぞれ「社会心理学的」と「人間工学的」に深掘りし、個人だけではなく組織のウェルビーイングに拡張しファシリティマネジメントの戦略や計画、評価手法に落とし込む。

活動計画

  1. 研究会(月1回定例会開催、Teamsによる逐次検討)
    組織と個人のウェルビーイング向上のための施策、結果および成果の評価のための指標設計および調査手法を検討する。検討にあたり、規格や制度など既存の知見や成果を最大限に活用する。
  2. 調査企画
    先進的な企業の見学、ヒアリングやアンケートなどを通じて、働き方やウェルビーイングの変化を把握し、記録する。
  3. 研究成果等の公表
    ファシリティマネジメント・フォーラムなどで研究成果や実践の手引きなどを発表、シンポジウムなどによる意見交換の機会の創出。また、他の研究部会と適宜連携する。
     

2024年度のテーマと活動内容 【活動実績】

メインテーマ

  1. メンバー以外も活用できるモデルの開発
    「ウェルビーイングに関連するライフイベントとファシリティとの関連性に関する調査」の結果から導出した施策とその検討プロセスなどのモデル公表などツールの開発。
  2. 対象と目標
    ”こころとからだ”を、それぞれ「社会心理学的」と「人間工学的」に深掘りし、個人だけではなく組織のウェルビーイングに拡張しファシリティマネジメントの戦略や計画、評価手法に落とし込む。
     

活動報告

  1. 情報収集及び意見交換(定例会)
    6月を除く11回開催した。(いずれもハイブリッド形式)
    個人の健康、組織の健康の2つ観点で整理し、組織における”健康”を3つの状態とした。
     @学習する組織
     A生産性の高い組織
     Bだれもが働きやすい
  2. 情報収集及び意見交換(オンライン)
    Microsoft Teamsを活用した非同期の議論をタイムリーに行い、情報蓄積ができるようになった。
  3. 調査企画
    定例会とは別に、2回のフォイス見学会を開催した(ゼロイン本社オフィス、ダイキン工業東京支社オフィス)
  4. 研究成果等の公表
    「秋の18講座」では部会メンバー企業におけるオフィス改修プロジェクトを通じたFM分野のウェルビーイング施策実践の取り組みを紹介した。
    「ファシリティマネジメントフォーラム2025」では、2024年11月に発効したウェルビーイングのISO 25554を紹介した他、既存の知見を活用しつつ、組織のウェルビーイングを定量評価する概念の整理などの研究成果などを発表した。
    2022年から継続してきた、ウェルビーイングを生み出すワークプレイスに関する調査手法に関して報告書を作成し、JFMAの研究部会ページで公開した。
     

研究成果 他

ファシリティマネジメントフォーラム ※ JJ:JFMA機関誌「JFMA JOURNAL」掲載

FM初心者向け秋の18講座・FM秋の夜学校(調査研究部会公開セミナー)

書籍・報告書 他