人的資本経営を支えるワークプレイスの価値とFM | ![]() 部会長:齋藤 敦子 コクヨ株式会社 JFMAフェロー |
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人的資本経営 / 働き方 / 知識創造 / オフィス / 評価モデル |
サマリー | 働く場所が多様化し、オフィスの役割と機能が問われるなか、価値を生み出す人的資本経営を支える場としてのオフィスが注目されている。当部会が開発したSOF モデルは経営と働き方とファシリティの相関を捉えるツールだが、ベンチマーク調査の結果、企業の成長段階によるオフィス戦略の違いやソフト施策の重要性が明らかになった。また、個人のウェルネスとチームの心理的安全性が組織のパフォーマンス発揮にプラスに働く仮説モデルも確認できた。 |
活動内容 | 当部会のメンバーは、建築設計、設備、デベロッパー、ICT、オフィス家具、不動産研究、BIM、インハウスのFM 部門、行政など多様なバックグラウンドをもつ。定例会では部会員の情報交流とディスカッション、分科会としてSOF モデルの研究開発、各種調査などを行っている。昨今のテクノロジー進化による働き方の変化、働く場所の多様化によるコミュニケーションの問題など、リアルな課題を取り上げ、解決策や今後の展望について活発なディスカッションを行っている。
※定例会開催日程(原則) 平日18:00〜20:00、年5回 |
成 果 | ディスカッションから生まれた問いや知見をベースに、SOF モデルを用いたベンチマーク調査を実施し、その結果を論文にまとめて外部発表を行った。また、ファシリティマネジメントフォーラムやオフィス学会、建築学会のシンポジウムなどでも研究成果を発表した。得られたフィードバックから研究をアップデートしながら、JFMA の調査研究部会として実際の現場で役に立つ知見の構築、活用を意識して進めている。今後もデータを収集・分析し、有益な情報の発信を行っていく。
※研究成果の詳細を閲覧することが可能です: 「研究成果 他」の項目へ ![]() |
メンバー | 部会長:齋藤 敦子(コクヨ)
部会員:網倉 麻古(テクノ菱和) 石崎 真弓(ザイマックス不動産総合研究所) 岡田 孝介(梓設計) 下野 晃法(コマニー) 菅野 文恵・比嘉 文彦(ゼロイン) 菅原 大助(仙台市) 田中 厚三(清水建設) 坪本 裕之(東京都立大学) 富田 衞(三井住友建設) 長尾 崇子(個人) 成瀬 功(三菱地所設計) 野間 操(清和ビジネス) 原 悠子(個人) 山田 均(パワープレイス) 渡部 哲也(プラス) 事務局:前澤 恵子(JFMA) |
知識創造や知的生産性はオフィスの重要テーマとして関連団体で長年議論されているが、昨今のDXやAIにより働き方も変わり、オフィスのハード面だけではなく、ソフト面や人間そのものに関する研究ニーズが高まっている。自律的に場所を選んで働くアクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)なども、コミュニケーション活性化やチェンジマネジメントなどソフト面の施策が重要であり、それらをFMの中でどう位置付けるか、共通の指針も必要である。 当部会は多様なバックグラウンドをもつ部会員による議論・共創により、これからの時代に合ったオフィス・ワークプレイスについて研究活動を進めている。今年度はこれまでの成果の対外発信や、コロナ後の働き方とICT、ワークプレイスに関する調査を実施したい。また、当部会で開発したSOFモデルのベンチマーク調査も継続して行う。 また、このテーマは企業だけではなく、学校などの教職員の働き方などにも関わるため、部会に蓄積された知見を広く発信し、フィードバックを得ながら、知識創造ワークプレイスの考え方を広めていく。