FM戦略・企画研究部会 (SCM02)  【マネジメント研究】

部会紹介

※活動の詳細を閲覧することが可能です: 「JFMAジャーナル別冊R05」部会ページへ

2022年度のテーマと活動内容 【活動計画】

メインテーマ

まちづくりにおけるSXの潮流−SDGs評価指標やデータ活用による政策企画立案と都市機能のDX事例の研究
【研究目的】
2015年国連にて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」において「G11:都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする」の実現が掲げられており、G7:エネルギー、G8:経済成長、G9:強靭なインフラ、など他の関連するSDGsの達成を含め、「まちづくり」は重要なテーマである。最近では、持続可能なまちづくりへの取り組み方法として、SDGs評価指標やデータを活用して都市政策の企画立案に取り組む事例が散見され、エビデンスベースで住民のQOL向上につながると期待され、まちづくりにおけるSXの潮流といえる。都市のスマート化やより住民のQOL向上にフォーカスした「スーパーシティ」の取組みも都市のDXに 関連し、まちづくりのSXに該当する。今年度は、持続可能なまちづくりへのこのような取り組み事例を現場目線で研究し、今後の都市経営の 参考に資する。

活動計画

2021年の活動では、都市の持続可能性への取組み状況について、「SDGs」をキーワードにしてSDGs未来都市を対象に、新国富指標の考え方などを活用して、取組み施策の傾向分析や各都市の施策に関してSDGsとの 関係をマピング(位置付け)表示による分析方法を提示するとともに、新国富指標等を活用して、政策の企画立案に繋げている事例を見出した。 今年度は、昨年度の活動を踏まえて、評価指標やデータを活用してエビデンスベースドな政策の企画立案に取り組む事例および住民QOL向上につながる都市のDX化事例研究を中心に、各都市の個別事例において、 計画レベルでのSDGsやDXへの取組み、実施レベルでの効果、施策成果に対する住民満足度など持続可能性への取組みとその効果を検証する。都市再生へのDXやエビデンスベースドな政策立案の動きは、SX(サステナブル変革)でもあり、住民参加や住民意思を反映し、住民QOLの改善につながり結果的に持続可能性を高めることとなる。
【検討事項】

  1. まちづくりにおけるDXやSXの概括検討: DX・SXの概念やSDGsとの関係、まちづくりにおけるDX・SXの事例、などの研究テーマに係る 基本事項をJFMA SDGsタスクフォースレポート2021をはじめ、参考資料による検討、専門家の講演などにより整理。
  2. SDGs未来都市の取組みの個別具体的な実施状況等の研究:法政大学川久保研究室が管理運営するサイト「ローカルSDGsプラットフォーム」は各自治体のSDGsへの取組みデータを集約・公開しており、新国富指標と相対比較分析などにより各自治体の持続可能性への取組みとSXを具体的に検証する。 併せて、スマートシティ・スーパーシティの取組み事例におけるDXと 住民QOL、DXとSDGsなどに係る施策またはソリューションを研究。
  3. 新国富指標を活用した企画立案事例の研究(2021年の継続):福岡県久山町と同様に、九州大学都市研究センターとの連携による取り組み事例(取組み自体がSX)の研究(福岡県直方市、宮若市、石川県能美市、大分県別府市、国東市)
  4. CASBEE都市評価システムを活用した政策シミュレーションによる 政策立案事例の研究(2021年の継続):自治体におけるCASBEE活用事例とメリットの検証。
  5. RESASを活用した政策立案に関するワークショップの実施事例の 研究:内閣府地方創生推進室は、経済産業省等の協力を得て、「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」を活用している地方公共団体に専門家を派遣して自治体職員等とワークショップを開催してエビデンスベースドな政策立案の検討を2015年から実施しており、その取組み内容と 成果等を研究。

【研究活動】
毎月1回の部会開催にて、文献・資料等による事例研究や専門家・事例 関係者の講演を交えて、情報収集・意見交換・研究を行う。
 

2021年度のテーマと活動内容 【活動報告】

メインテーマ

都市・地域の持続可能性とFM戦略−まちづくりによる持続可能性
【研究目的】
2015年国連にて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」において「G11:都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする、 G7:エネルギー、G8:経済成長、G9:強靭なインフラ」の実現が掲げられているように、都市・地域経営において「持続可能性」は極めて重要である。持続可能性の向上のために何をどのように取り組むのかを明らかにしたい。

活動実績

2021年度も原則、毎月1回のリモート会議形式による部会開催において、2021年度の研究計画に沿って、自主研究の発表と意見交換、研究テーマに関連した情報交換、外部専門家による講演の実施等を行い、部会としての研究テーマに対する検討を進め、秋の夜学校にて「都市・地域の持続可能性&レジリエンス」のタイトル、FMフォーラム2022では「新たなSDGs評価指標の活用による都市の持続可能性分析」のタイトル、にて講演を行った。以下、簡単に活動の概要を記す。
【部会開催】
2021年度の部会開催状況は以下の通りです。
【2021年】
@4月15日 公共部会合同・高槻市FMの取組みについて(講演)
A5月27日 事例研究として新国富指標等による都市間比較の実施結果
B6月24日 まちづくり基本構成、SDGs未来都市の施策分析、R5原稿
C7月29日 国勢調査速報値にみるSDGs未来都市の実像の再確認
D9月 9日 秋の夜学校講演資料の発表、SDGs未来都市の取組み分析
E10月20日 九大岸上様(九州大学工学研究院都市システム工学講座特任助教)講演「 新国富指標を活用した、豊かな地域へのシフト」
F11月25日 フォーラム原稿作成(11/11、22 分科会開催)
G12月16日 フォーラム収録準備(12/21 収録)
【2022年】
H1月21日 2022年度テーマ・活動計画
I2月24日 2022年度テーマ、SDGsタスクフォース連携に向けた意見交換
J3月24日 2022年度テーマ、SDGsタスクフォース連携に向けた意見交換(2月24日の継続)
【秋の夜学校】
2021年11月10日、発表内容は以下の通りです。
<テーマの背景>
@国土強靭化計画、インフラ長寿命化計画、公共施設等総合管理計画、コンパクトシティへの立地適正化計画など都市・地域の更新期にあり、求める将来像を検討する必要がある。
A人口減少、高齢化、少子化、産業の海外シフト等、これまでの経済成長・人口増加・都市の拡張傾向とは逆に「都市・地域の縮少」傾向へと様相変化している状況下、将来像に向けた都市・地域の新たな価値創造とマネジメントが求められる。
B東日本大震災や福島原発事故、更に豪雨災害やパンデミックなど様々な災害リスクとともに地球環境問題への対応も迫られている。
<発表のポイント>
都市の現状を踏まえて、「持続可能性(サスティナビリティ)とレジリエンス」をKEYWORDとして都市・地域の新たな価値創造を実現する、これからの街づくりの考え方を検討する。
第1部【都市の持続可能性】
 都市の課題・都市のQOLと評価・日本の地方消滅・都市の持続可能性と評価項目・SDGsと地方創生・SDGs未来都市
第2部【都市のレジリエンスと基本条件:住民の安全確保】
 グローバルリスク報告書・レジリエンスの意味・都市のレジリエンス要素・災害のレジリエンス、以上のキーワードに関して発表しました。
【FMフォーラム2022】
以下の内容について発表しました。発表のポイントを記します。
第1部 都市の持続可能性分析_SDGs未来都市と「新国富指標」:
 都市の持続可能性分析としてSDGs未来都市を対象にその取組み施策等を分析(マクロ分析)、分析にSDGs評価指標と言われる「新国富指標」を活用。
第2部 都市の状況把握のための様々なツール:
 当部会の活動の中で活用してきた都市評価指標や地域経済データ等の都市状況把握に有効なツールやデータベースの概要(全て公開情報)を紹介。
第3部 自治体の政策立案への活用:
 新たな評価ツールを活用して、データやエビデンスベースでの政策立案が可能となるが、その取組み事例を紹介。
 

研究成果 他 

ファシリティマネジメントフォーラム ※ JJ:JFMA機関誌「JFMA JOURNAL」掲載

FM秋の夜学校(調査研究部会公開セミナー)

書籍・報告書 他