CADデータにおける標準的なレイヤー構成があれば教えて欲ください
FM・維持保全の分野では特に標準化されたものはありません。CADを使用する企業やアプリケーションソフトごとにレイヤーを規定しているというのが実情です。
建設分野では異なる会社間でCADデータをスムーズに交換することを目的とした「CADデータ交換基準」を策定する取り組みがありますので、 維持保全でも今後同様の取り組みが必要と考えられます。
備品も管理すべきですか?
通常、建築躯体に取り付けられて使用される設備に対し、備品は移動できる形で置かれているものを指します。 机・椅子・キャビネットなどの家具や、パソコンやテレビ・オーディオなどの機器等が代表的なものです。
これら備品をどの程度の細かさで管理するかは、企業のFMの目的により定めます。
たとえば、経費処理(損金処理)された備品の現物管理は税務上では不要です。 しかしながら使用している家具類の状態管理や活用の効率化をFMの目的に加えるなら、備品も管理対象とすることになります。
備品を管理対象とする場合も、以下のようにさまざまな管理レベルがあります。
種類ごとの数量のみデータベース管理する。
種類ごとの数量と置き場所をデータベース管理する。(置き場所が変わるごとにメンテナンスが必要となります。)
品名型番価格など再調達可能な情報とともに数量および置き場所をデータベース管理する。
品名型番価格など再調達可能な情報とともに数量および置き場所をデータベース管理するとともにCADで配置も管理する。
このように、現物をひとつずつ確認する必要があるのか、種別で数量だけ把握するだけでいいのか、場所や価格や配置まで管理するのかなど管理内容によって利用するツールも異なります。 金額の大きな(取得時、メンテナンス時)ものだけ、あるいは耐用年数の永い転用可能なものだけ管理するなど重要度も考慮する必要があります。
一般に詳細に管理しようとすればするほど、管理に要するコストは鰻上りに増加します。詳細な管理が必ずしも望ましいわけではありません。 費用対効果をよく見定める必要があります。
### 2011/11/18 ここまでリニューアル済み ###
画像ファイルの種類について教えてください
画像データを大きく分けるとラスター形式とベクター形式に分類されます。CADデータは大抵の場合ベクタ形式です。 コンピュータで扱える画像ファイルには非常に多くの種類があります。一般的には、特定のソフトウェアで作成された画像ファイルの閲覧、修正にはそのソフトウェアが必要ですが、画像データは可搬性の高いものが少なくありません。 画像データを大きく分けるとラスタ形式とベクタ形式に分類されます。ラスタ形式は二次元の画像情報を格子状の点(点の集まり)として保存します。JPEGやBMP、GIFなどが当てはまります。
ベクタ形式は点や線や面の情報を方向や色を保存します。ベクタ形式を利用するソフトは計算結果として画面や紙に出力します。DXFファイル、メタファイル (.WMF)形式や、 Illustrator(.AI)形式などがあます。点の集まりではないため拡大しても正確に描画できるため図面や印刷物などに適しています。 ラスタ形式は画像の拡大縮小時には品質が劣化しますがベクタ形式では劣化は殆どありません。また、ベクタ形式からラスタ形式に変換することは可能ですが、その逆は困難です。
DXF:ディーエックスエフ(Data eXchange FormatまたはData Interchange format)
AutoDesk社が規定しているCAD図面用のファイル形式で図面情報が可読可能なテキスト(文字情報のみ)として構造化され保存されます。 AutoCADの普及とともに他のCADソフトとのデータ交換のために他のCADソフトでも扱えるようになった汎用形式です。拡張子は.dxfですが、AutoCADのバージョンアップにともない複数のバージョンのDXFが存在します。このため上位バージョンのDXFは下位バージョンしか扱えないソフトウェアでは読込めない(情報の一部が欠落、開けない)こともあります。画像情報(線、面など)以外にも属性情報も保存されますなお、AutoCADが作成する標準で扱うファイルは拡張子.dwgです。
紙の図面からCADデータ化は可能ですか?
可能です。紙の図面からCADデータ化は、図面データをキーやマウス操作により、データ入力をする作業があります。その他に以下のような方法があります。
図面の全データを入力するのでなく、管理に必要なデータのみを入力(例:建築図の単線入力)する方法もあります。室内のスペース、OA機器・什器備品等の管理では、施設管理用として使用できます。
図面データをスキャナーにより、図面を入力する方法もあります。この方法は、完全にCAD化はできませんが、室内のスペース、OA機器・什器備品等の管理では、管理データとして使用できます。
RDBとはなんですか?
Relational Database(リレーショナルデータベース)の略です。データ管理の方式で多様に関連するデータを効率的に抽出・結合することができるようになっています。
紙の図面はあるがCAD図面がない。CAFMで施設管理を行うことは可能か?
CAD図がなくても、設備機器管理、OA機器管理、家具什器管理、機器の故障・修繕管理等の管理データと紙の図面データと整合することにより、完全なCAFM化ではありませんが施設管理は可能です。
施設数が多く図面管理が煩雑である。また図面が最新版かどうかわからない。
CAFMシステムは図面情報を一元的に体系化し、必要な図面を探し出すための仕組みを持っています。
CAFMシステムには不要な機能が多く難しそうである。オペレータの確保も困難だ。
運用段階の業務請負サービスを提供するCAFMシステムベンダーもあります。
自社の実情に合わなかったり、不足する機能がある。カスタマイズは可能か?
低価格なCAFMソフトの場合はカスタマイズを前提としていない場合もありますが多くのCAFMシステムの場合カスタマイズ可能となっています。
データのメンタナンスが困難で、実態のシステムへの反映がなかなかなされない。
例えばコンピュータ、什器、場合によっては建物の改修・撤去・新設まで記録とズレが生じていること良く聞く。
業務フローの見直しが必要と思われます。多くの場合変更には金銭の支出が伴いますがFM部門が決済権をもっていない場合は、変更されたこと自体を把握できない場合もあります。
OSがバージョンアップされた場合、CAFMデータへは技術的な面と利用上についてどのような影響がありますか。
CAFMデータは特定のアプリケーションに依存する場合が多くなっています。OSがバージョンアップされた際CAFMシステムが稼動するか問題となりますが、ユーザによっては古いOSのままCAFMを活用している事例もあるようです。また他のシステムへの移行が容易となるよう可搬性の高いデータ形式への出力機能をもっていることが重要ポイントです。
CAFMの標準的な導入プロセスを教えて欲しい。
下記の手順が一般的なプロセスですが導入効果を出すためには継続した情報更新の仕組みづくりが不可欠です。
導入目的の確定、ツールの選定
管理対象の土地、建物の確定
現場調査などから最新の情報の収集
データ投入と設定
運用開始
データの適宜適切な更新
導入する目的や効果には何があるのでしょうか。
ツール先行で導入を決めてはいけません。CAFM導入の目的を予め明確にすることにより着実な効果を出し、粘り強く運用していくことが必要になります。
例)施設運営費削減、施設管理精度の向上、顧客サービス向上、等
どういった人が利用するのでしょうか
CAFMを実際に操作する人により、扱うデータの中身や表示内容が異なります。大きく分けると、経営者、専任FMer、一般FMer、外部業者に分けられます。立場により必要とする情報が異なることを踏まえたビューが必要となります。
管理の対象が多い場合はどうしたらよいでしょうか
導入当初に一括してデータ入力(CAD化など)を行うことは初期投資を増大させることになると同時に、運用の手間も一気に増えてしまいます。対象となる建物に優先順をつけるなど、効果の出やすいものから導入を開始するといった方策の検討が必要です。また、機能についても一度に作りこむよりも必要な機能から順に作り込んでいくことが継続的に効果を上げることにつながります。
コンテンツ入力の効率的な方法について教えて下さい
入力する情報は図面などのベクターデータ、建物情報などのテキスト、また設備機器の写真など、多岐に渡ります。入力に必要なワークロード、コスト、操作員のスキルまでを配慮した操作性 を考慮する必要があります。更新が滞ることは利用者にとって有効な情報でなくなることとなり、活用効果が出ない結果となります
コンテンツ情報の収集方法
情報の収集と入力には多くの作業量が必要となります。まず、どこまで情報入力を行うのか検討の上、収集対象情報のリストアップを行い、網羅的に情報収集を行うこととなります。なお、各情報の最新情報を誰が保有しているのか明確にして収集を行う必要があります
図面と実物の値に違いがあるのですが
施工に際して建物図面と実際の数値との間に誤差が発生する他、改修などにより実態と図面に食い違いが生じることが多くあります。また契約面積などは、計算方法の違いにより数種類の面積が存在するケースが見受けられます。この場合は入力ルールを徹底することで解消していくなどの対応が必要です。業務上必要な場合はCADのレイヤを分けることにより対応することも可能です
既存データの活用方法(既存システムの有効活用)
電子化された既存データについては、多くの場合、活用が可能です。活用の可否に関しては各ベンダーにより異なりますので、まず相談を行って、既存データを有効活用することにより、データ入力の作業を軽減することを検討することが望ましいでしょう
CAFMは幾らくらいで導入できるのでしょうか。
「CAFM」と一口に言っても実に様々なジャンルに亘ってたくさんのシステムがあり、何を管理するかによってコストは大きく異なります。
以下の【リンク先】 に各種CAFMの情報を掲載していますので、コストの参考目安にしてください。
国内のCAFM調査報告
海外のCAFM調査報告
なお、掲載金額で注意が必要なことはソフト本体価格以外にかかる費用についてです。CAFMはユーザーごとに異なる施設に適応させるためにカスタマイズを前提とするものが多く、その内容はケースバイケースであるため別途見積りとなり、これが本体価格を上回る場合もあります。費用の項目としては主に以下の項目があります。
ソフトウェア費(本体ソフトと付帯ソフトのライセンス費用)
ハードウェア費(サーバ、クライアントなどの必要ハード類の購入費)
カスタマイズ費
現状調査費
紙データのデジタル化費
初期データ入力代行費
LAN上の複数ユーザーライセンス費
セットアップ費
操作説明講習費
保守契約費
また、公表価格には表れませんがシステム導入後のランニングコストについても考慮が必要です。
紙図面1枚をCAD化するのに普通いくら位かかるのか。
現状は紙図面を見てCADオペレータが入力し直す
「トレース作業」
となります。費用は変動しますが、大体1枚当り3〜5万円です。たくさん保管されている図面すべてをCAD化する必要はありません。 費用は以下の内容によって変動します。
図面枚数や密度
基準階の有無
作画要領指定の程度
紙図面をCAD化する
「ベクター変換ソフト」
というものがありますが、これは大判サイズの図面では文字化けなどの修正に手間がかかり、まだ実用的とは言えません。
デジタル化のコスト
紙情報からデータ化するコストの例は別ページをご参照ください。